4週目に入りました。
先週も今週も、引き続き”陸トレ重視”のプログラムになっています。
バイクは、少しずつ強度を上げ(急峻な坂道を増やす,という感じでしょうか)、ランはタイムトライアルを開始しています。
一方、ベースとなるストレングストレーニングやスイムについては、まだまだ「準備の段階」にあるため、特筆すべきことはしていません。
もちろん、今やるべきことを、それぞれのペースでやってもらってはいますのでご安心を。
チームとしても、週末に4年生の発案で、ちょっと工夫を凝らしたミーティングを行うなど、良い感じでこの立ちあげの時期を充実化してくれています。
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先シーズンは、千彰の他に、6年間、中大のDISTの代表選手として頑張ってくれた瀧口陽平も、僕のもとを離れることになりました。
学生時代には、短水路世界選手権に出場し、その舞台で短水路日本記録を樹立(800m自由形)するなど、中大のみならず、日本を代表する長距離選手として活躍してくれました。
2012年に樹立した15:01.88という記録は、当分の間破られることはないかな、と思える中大最高記録ですが、そんな大記録を打ち立てた時でも、その先にはまだまだ雄大なストーリーが待ち構えているものだと感じさせてくれる、スケールの大きい選手でした。
彼の身体特性については、どちらかというと速筋優位で、パワー系の特性を誇っていた、珍しいタイプの”1500の専門家”だったと思います。
スピードを上げて泳ごうとすると技術が大きく崩れる特性があり、ゆったりと、適度に力を入れて泳ぐと、優れたストローク技術だけで高い泳速度を持続することが可能となるため、その身体特性とは裏腹に、泳ぎの特性や力の出し方的に、1500が最も彼に合っていた、という感じです。
長距離選手としては大柄で、かつ、筋肉質な身体であったにもかかわらず、長距離で優れた成績を残せた背景には、彼が優れた2ビート技術を持っていたことが大きかったと思います。
これにより、速筋優位な体質であったにもかかわらず、1500をきっちりと高い泳速度で泳ぎ切ることが出来たのだと思います。
また、常に高い目標を設定し、前向きにトレーニングに取り組む姿勢は素晴らしく、どんなに厳しい練習に対しても挑戦する姿勢を崩すことはありませんでした。
とりわけ、2011年の冬場には、僕がそれまでに行ったことがないような「鬼の練習」をひとりでこなし、折れることなく挑戦し続けてくれたことは、一生忘れることは出来ません。
あの努力があったからこそ、ロンドン五輪代表は逃したものの、素晴らしい記録をオリンピック選考会の決勝の場で示すことが出来たのだと思っています。
彼に対するトレーニング処方のなかで、最も特徴的だったのは、テーパリング法。
すなわち、筋量が多く、疲れを残しやすい特性を有していたし、速筋優位であることもわかっていたので、一般的な長距離泳者に対して処方するテーパーよりも遙かに長く、テーパー期間を設ける、ということを基本としていました。
これがなかなかどうして難しく、筋の余計な張りは全て取り除き、『軽い!』と本人が思える状態に誘いつつ、全身持久力の顕著な低下を防ぎ、かつ、泳ぎ込みで実現が困難となっていた”効率の良い泳ぎ”を創り上げなければなりませんでした。
筋量が多いタイプは、泳ぎ込んでいくに連れて、どんどん調子を上げていくのですが、ある一定量を超えると、今度は疲労が抜けづらい厄介な身体になります。
スプリンターであれば休ませながら、適宜刺激をいれていけば上がってくるのですが、1500を高い水準で泳ぎ切らなければならなかったため、ただ休ませるだけではまったく良い感じに仕上がらず、トレーニングの「質と量」のバランスを上手くコントロールしながら処方し、巧妙に仕上げていく必要がありました。
前例のない特性の持ち主だったため、最高の状態に仕上げるのは困難を極めましたが、それが成功すると、ユニバーシアード(深圳)の選考会やロンドン五輪選考会のような”爆発的な伸び”を披露してくれました。
正直なところ、上手く行かないことの方が多かったのですが、「この選手を仕上げることが出来たら、日本記録更新どころではなく、世界大会でメダルを狙えるかも知れない」というくらいのポテンシャルと爆発力を備えていたため、僕自身も本人も、常に高い目標を崩さずに最後まで挑むことが出来ました。
『目標を設定したら、その実現に向かって真摯に努力する』姿勢は本当に素晴らしく、圧倒されることもあったくらいです。
と同時に、わからないことがあれば、『すぐに訊く』姿勢をもっていましたし、悩みを抱える前に相談しにきてくれるという、コーチから見れば凄く”可愛い奴”でした。
千彰同様、最高の成績で引退させることは叶いませんでしたが、最後までやり通し、リオの選考会でも『諦めずに挑戦する』姿勢を示してくれたことは僕の誇りです。
本当にお疲れさまでした!
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今週末も、結婚披露宴に参列してきました。
伝説の"スーパー”マネージャー、南雲雄司くんの晴れ舞台が、明治記念館に用意されていました。
荘厳な雰囲気が漂う由緒ある館内で、素晴らしい時間を過ごすことが出来ました!
ナグが成し遂げた偉業の数々を振り返ると、本当に素晴らしく、一般的なマネージャーの10倍くらいは時間的にも貢献度的にも尽くしてくれたと思います。
ナグが居なかったら、中大に入っていなかった選手が居たかもしれない。
ナグが居なかったら、メディアガイドはカタチになっていなかったかもしれない。
ナグが居なかったら...様々なトラブルが起きていたかもしれない。
...という具合に、Marauderの歴史を語る上で欠かすことの出来ない重要なスタッフであったと思います。
こんなマネージャーがいつも居てくれると中大も安泰だろうなー、と思っていた日々がいかに恵まれていたか、再確認した次第です。
中大卒業後も水泳界で頑張り続け、近年ではパラリンピック代表選手のコーチングを行うなど、その才能を別のステージで開花させているようで、本当に嬉しく思います。
懐かしのメンバー、懐かしのスタッフ陣が揃った感じですね。
こう考えると、ナグは良い時代に居たんだな~
それにしても週末は美味しいお酒を堪能することが出来ました!
ありがとうございました。
今週も頑張ります!
それでは!!!
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