2012年9月29日土曜日

KOHEI

こんばんは

2012シーズンのリーダー紹介シリーズ、今度は水泳と海と料理を愛する男、Yamaちゃんにスポットをあてます。

彼はずばり、「中大に入りたくて入りたくてしょうがなかった男」です。その理由については、昨シーズンのインター合宿中に、彼の小学生時代のコーチと話をしたときにわかりました。要するに、そのコーチ(現在は、アカデミー新城でがんばっていらっしゃいますね!)が、小学生時代から彼に「中大に行きなさい!」と言い続けてくれたそうで、その影響を彼も否定しませんでした。

念願叶って入学した中大では、おそらく彼が想像していなかったような苦難が待ち受けていました。
1年の冬場に起こったこと。原因不明の、しかも重度の偏頭痛に悩まされ、まさに「練習どころではなくなる」という事態に陥ったのでした。

専門医をまわり、幾多もの検査を重ね、なんとか改善に導くよう努力しましたが、一向に良くならない。最終的には、彼に『如何にして水泳に没頭させ、楽しませるか』がカギになることに気づいたのは、2年生のインカレが終わった後のことでした。

以来、『問題が起こる』のは、大好きな水泳に集中出来なくなった時か、思うように泳げなくなり、大好きなはずの水泳にちょっとした苛立ちを感じた時、あるいは極度の緊張時という、極限られた時に発生するに至り、3年次以降は、ほぼ「問題無く」Marauderライフに復帰することが出来ました。

Yamaちゃんは...
とにかく優しい。気遣いができる。料理の腕前は寮でも評判で、自分で作って自分で食するばかりではなく、周りの人(僕も何回かごちそうになりました!)にも分けてあげることが大好きなようでした。
ウチの女子スタッフのもとに、幾度となくケーキやらクッキーやらの差し入れがあったこと、Marauderでは有名な話です。

ただし、トレーニング面では自分に厳しく、神経質で完璧主義。技術確認なども、実は凄く細かい。

最後の2年間で、ベスト記録を大幅に短縮することは出来たのですが、その舞台が選手権やインカレの舞台ではなく、どちらかというとトレーニングの影響でヘロヘロになっているようなときであったことがほとんどでした。おそらく、1年時に彼を悩ませた”問題”のちょっとした後遺症もあったのだと思います。

その中で、彼が最も輝き、最高の笑顔を示してくれたのは、忘れもしない2011横浜インカレの8継決勝です。2日目までの成績は全く奮わない。それでも、8継の予選でチャンスを掴み、決勝の大舞台に進むことができたYamaちゃん。

このときばかりは、誰もが緊張するような状況の中、泳ぐその前から「楽しそう」だったし、泳ぎ終わった後も「最高の笑顔」を見せ続けてくれたことが印象的です。
苦しいことばかりが続いていたYamaちゃんに、そんな輝ける瞬間がもたらされ、その最高の”泳ぎ”によって、みんなが心から望んでいた『総合優勝』を成し遂げることが出来たことに、僕は涙を止めることが出来ませんでした。
あんなに感動したことはありません。
そんな感動をもたらしてくれたこと、心から感謝しています。

あの時のレースのように、Yamaちゃんには、まだまだ「覚醒していない」凄い能力が眠っているように思います。それは、もしかしたら、『水泳』ということではないのかもしれません。
その能力が、これからの人生で、きっと発揮出来る時が来ると思います。
そんな日が来ること、心から願っています。

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"Stay Gold"本編のラストを飾ったのは、SLADEの"All Join Hands"。これまた、優しいメロディとパワーに溢れ、かつ、ドラマティックに盛り上がっていく構成を持つ、まさに”SLADE節”が炸裂する名曲に仕上がっています。
復活SLADEを一躍スターダムにのし上げた"My Oh My"と双璧をなす、80年代SLADEの名曲と言えるでしょう。1984年に発表された"ROGUES GALLERY"に収録されています。アルバムには、SLADE節を示す佳曲がたくさん収められていますが、プロダクション的に、少し「洗練されすぎ」のようで、大ヒットした前作よりも、HRとしてのエッジが後退したようにも感じました。

何れにしても、曲そのものは名曲です。
SLADEは、ヒット曲も多いのですが、発表している曲の数は,歴史が長いが故、膨大です。ですので、ベスト盤を聴くことをお勧めします。
彼らの曲のほとんどは、『楽しく』、『優しく』、『温かい』というもので、ノリの良いHR的佳曲も多いのが特徴です。CHEAP TRICKに、何となくにている部分があるかも。

この曲のタイトルをインカレMVのタイトルにするか、少し悩んだのですが、最終的には”Stay Gold"に落ち着いたのですが、それはこのタイトルがあまりにもクサい!と思ったからです。

それでは!

2012年9月26日水曜日

YAMATO / FUMIYA

こんばんは

”オフ期”もあと僅かですね。
中大のプールは,本日ようやく"Ready"の状態になったようです。
自主練をしたいMarauderは、ようやくそれを実現できるようになりました。

さて、今日はRyosukeに引き続き、SP・MD2の二人を紹介します。
僕からみて、YamatoとFumiyaに共通しているのは、SP・MD2の選手でありながら、部分的にMD1(やDIST)のプログラムに自主的に参加してきたことがある、ということでしょう。


Yamatoは、”泳ぎ込み”期の常連さんで、この時期には大概、”きっついこと”を、自己志願して挑戦してくれました。
BKの選手の特徴は、比較的器用に様々な泳ぎをこなし、また、「潰れる」時期になるまでは練習もえらく強い、ということがあるかと思います。
かく言うYamato選手も、比較的元気な頃にやってくるので、こちらがびっくりするくらいタフな練習を示してくれることが多く、実際練習も強かったです。そして、MD2に帰ってから「暫くする」と、練習がまともにできなくなるくらい疲れ出す。そこで休みをうまく取り入れながら,かなり長めのテーパーを行い、最終的にはSPチームでテーパーを行うことで、”大爆発”に繋げるというパターンが、上級生になって定着してきました。

入学してからしばらくは、中大のトレーニングになかなか馴染めず、また、テーパーしても”爆発”に繋げられず、苦しんでいました。そのため、50mでは良いパフォーマンスを示すも、得意の100mや200mではなかなかベストタイムを更新できずにいました(特に200mは....)。
しかし、3年次になってからは、テンポコントロールをはじめとする、技術面に”巧みさ”が加わり、体力配分的にも”上手く”なってきて、ジャパンオープン2011あたりから、その能力を遺憾なく発揮するようになってきました。4年次には、就活のために春期の長期合宿に参加しなかったにもかかわらず、自分をコントロールする術が誰よりも巧みになった結果、五輪選考会では大ベストを樹立するに至ったわけです。


技術的・精神的に、やはり”成長”したからこそ、成し遂げられた”快挙”とっても良いかと思います。インカレについては、『狙っていた結果』に漕ぎ着けることは叶いませんでしたが、彼の個人種目を上回る頑張りがあったからこそ、メドレーリレーでは久々の優勝を果たすことが出来たのだと思っています。




他方、Fumiyaくんは、どちらかというと積極的に自分から動く、というタイプではありません。それはわかっていたので、こちらからも、『新たな行動を起こす』ための”きっかけ”を与えるよう、配慮してきたつもりです。そのきっかけを上手く活用し、何回かMD1でのトレーニングを行ってきたようでした。

体力的に突出している点があったわけではなく、むしろ身体は小さく、柔軟性に乏しく、筋力も低かった。そして、技術的に突出した点があるわけでもなかった。故に、パフォーマンスも低く、それを自分で理解しているから、自信ある言動がとれなかった。
それでも、「コツコツと努力を重ねる」ことは忘れなかったのがなんと言っても素晴らしいこと。
その成果が顕著に表れたのは、「肉体改造」の面。
最近の選手のなかで、この点において最も成功した一人であり、1年から2年にかけて2kg増量、2年から3年にかけては4kgも増量することに成功しましたし、しかもこの増量、脂肪量の増大を伴っていないところが素晴らしい。結果、3年次の春以降は、もともとの身体に比べれば、自信を持って「ごつくなった!」と評することが出来るほど、「進化」していました。

しかし、この"急激”ともいえる筋肉量の増大が、3年次の記録の停滞の一因になったことは否めず、肉体改造と技術改善のアンバランスが、彼が掴みだした「進む泳ぎ」にかげりをもたらしたし、『疲労しやすい』状態に至らしめたともいえます。その上、肩の傷害の問題も発生してしまい、その影響で、3年次のインカレでは思うような成績を残せなかったわけです。

それでも諦めず努力を重ねた結果、最終学年では見事に100FRのインカレレギュラーを掴んだし、おそらく相当緊張したであろうその舞台でも、『大ベスト樹立』を果たすことに成功しました。

彼の場合、技術的にも、肉体的にも本当はたくさんのアドバイスを求めているのだけど、性格的に『遠慮して訊けない』ことが少なく無かったように思います。
MD1でのトレーニングも、ことある毎に「楽しいから好きです」と言ってくれる割には、行動に移すのは希でした。本当は、きちんとやれば体力も伸びる「素地」を持っているのに、『疲れやすくなった』と「勘違い」していたこともあってか、なかなか『踏み出す』所までこなかったように思います。
ただ、今年のジャパンオープン後には、「最後のチャレンジ」をしに勇気をもってMD1に来ました。そして、最初は苦しんだものの、MD2に戻る頃には、かなりのタフネスさを取り戻し、かつ、技術的な問題点(肩がまわらず、キャッチポイントが”近い”)をほぼ改善していたことに、驚かされたことを覚えています。

そして、何れにしても『自分で決めて、チャレンジをした』ことを自信に、最後の夏を乗り切ったこと、とっても嬉しく思いました。

今日紹介した二人は、「定型のことで満足せず、自ら志願してチャレンジする」ことの大切さを示してくれたと思っています。
MD2からMD1に「完全移籍」(!?)する選手も居ますが、彼らのようなやり方も、個人的には「アリ」だと思っています。

これからの「世界」でも、『自ら考え、志願し、未来を切り開く』ことを大切にして欲しいと思います!
お疲れ様!!!


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"Stay Gold"挿入歌紹介、続編です。
本編は、『美しいパワーバラード』ばかりを使っています。


GOTTHARD
 "OPEN" (1999)
このジャンルで間違いなく高品質な楽曲を提供してくれるのが、GOTTHARD。彼らのバラードの中でも、1,2を争う素晴らしさを感じさせてくれるのが、3曲目に使用した”Let It Rain”。
曲構成も、歌メロも、ギターソロも、歌詞も素晴らしい、パワーバラードのお手本のような曲です。それにしても、故スティーブ・リーは魅力的なヴォーカルを聴かせてくれます。惜しいミュージシャンを失ってしまいましたね。

続いて、世界的有名バンド、BON JOVIのギタリストであるリッチー・サンボラの超~名曲、"The Answer”。
RICHIE SAMBORA
 "STRANGER IN THIS TOWN"
(1991)
この曲が収められている"STRANGER IN THIS TOWN"を聴くまでは、正直リッチーのことは舐めておりました。そして、このアルバムの素晴らしさを認識することで、BON JOVIの凄さがわかるようになりました。
優しさで溢れている"The Answer"は、むか~しむかし、スバル・レガシーのCMソングとして、日本のお茶の間にも頻繁に流れていた曲なのですが、BON JOVI として発表されたどのバラードよりも好きです。
メロディを聴くだけで、なんとなく涙が溢れてくる曲って、凄く少ないと思うのですが、"The Answer"は、そんな稀代な曲の1つです。だから、僕などは、この曲がバックに流れているだけで、Marauderたちの”エール”が感動的に見えてしまう次第です。
やっぱ、音楽の偉大さって、否定できないですね。

それでは!






2012年9月24日月曜日

RYOSUKE

こんにちは

2012の副将を務めたのは、スプリンター、Ryosukeでした。
龍大と書いてRyosuke。なかなか読めませんよね。
この地点で既に孤高。

そして、インカレのMVにも示されていたように、誰もが認める”文武両道”男でした。
スポーツを極めるなかで、勉強もしっかりやる、という意味の文武両道を目指す者は少なくないかもしれません。
彼の場合は、その何れも「最高を追求する」ということを目指したから素晴らしい。その難しさは、よくわかります(僕の場合には、五輪代表を目指すため、半年間大学院を休学してしまいましたが...)。
それでもこの男は、弁護士になるという夢を抱きつつ、インカレ優勝も果たすという目的を捨てることはありませんでした。


だから、THREDBOなどの合宿に行ってもこの通り。時間さえあれば、勉強に没頭。しかも、勉強している時は、何だかとっても楽しそう。

そして、今年、名門中央大のロースクールを目指し、浜松合宿中にその1次試験にチャレンジするため、一時浜松を離れました。この第一関門については見事クリアし、難関、2次試験に挑むもその日程は何とインカレ中。しかも、彼が一番狙っていた100FLYの日だったのです。

どうするべきか、相当悩んだ末、100FLYの予選終了後に2次試験を受けにインカレの会場を後にしました。
そして、100FLYの決勝前に戻ってきて、優勝こそ逃したものの、見事な泳ぎをみせて、事情を知っているMarauder全員に、大きな勇気を与えたわけです。

僕の知る限り、弁護士を目指してロースクール受験に挑んだトップスイマーを知らないし、それをインカレ中にやってのけるど根性を持った男も知りません。
とにかく脱帽です。

彼には、大分の国体時に初めて逢いましたが、その時から「普通とは違う空気を持っているな...」と感じました。
一般的に、トップクラスのスプリンターは器用な選手が多かったのですが、どちらかというと不器用。力の発揮もスプリンターっぽくない。
本当にこいつは、スプリンターとして大成するのだろうか?と、1年の頃には率直に思いました。
しかしこの男、自分で足りない部分をしっかりと把握し、その強化のための努力に勤しむ術を知っており、「いつの間にか」力の発揮の仕方を改善していたし、パワー出力そのものも高めて行くことに成功していました。
唯一、水の捉えが甘いという欠点を矯正するには時間がかかり、2年次までは苦労をしていたようですが、3年生以降になると、ほぼ「泳ぐ度にベスト」の状態を創り出すことに成功し、2011、2012のインカレでは”柱”となるような活躍を示してくれるに至ったわけです。

リーダーとしても、最初のうちは、「なかなか空気が読めないんですよね...」などと呟き、自信を持ってのリーダーシップ発揮が出来ない日々が続いていました。また、少しバラバラ感のあったSPチームの統率の難しさに、心底悩んでいる時期もありました。
しかし、Chu同様、この1年間のリーダーとして成長ぶりは顕著であり、夏頃にはすっかり逞しくなっていたことをとっても嬉しく思った次第です。

やはり、苦しい時期に、逃げることなく、チームづくりについて真摯に考えた者は、確実に成長することを体現してくれたように思います。まぁなんと言うか、成功するための努力を厭わない、それはそれは真面目なスプリンターであったと思います。

是非とも、中大水泳部OBとして初の弁護士誕生!のニュースを早い段階で聞きたいものです。

最後に、インカレ前に、副将として”スピーチ”の締めを務めましたが、その内容をここでお示ししたいと思います。

後輩たちが頑張って成功している姿を見るのは、自分のことのように嬉しく、また頼もしくも思う。同時に、期待されていた選手がオリンピックに行けなかったのは自分のことのようにショックだった。インカレでは、全員が必ず満足のいく結果を出すことを信じている。いまこうして一人一人の顔をみると心からそう思う。

僕が"インカレ旗”に掲げた言葉、『全てを懸ける』が、1年生のときの主将だった涼太朗さんと同じであったことは、後で知りました。それを知って、ようやくリーダーとして『最後に懸ける気持ち』がわかるに至ったのかな、と思えました。

ロウスクールの入試日がインカレと重なると知って悩んだ時も、同期には『どっちも諦めずに頑張れ!』と言われたことは本当に嬉しかったし、水泳以外の悩みまで共有してくれる仲間が居ることを本当に誇らしく思いました。
自分のためだけに始めたはずだった水泳が、いまや多くの人々に応援されている。知らない人たちも中央大の勝利を願ってくれている。そんな凄い影響力を持ったこのチームに入れて、僕は本当に幸せでした。」

そう語った、やはり優しきリーダーRyosukeは、ここで学ぶべきことを全て修了して、次に向かって行くことになるのだと思いました。

お前なら出来るよ。
頑張れ!!!


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"Stay Gold"ビデオの挿入歌、2曲目はBAD COMPANYの"If You Needed Somebody"です。
BAD COMPANYといえばポール・ロジャースですし、ブルーズに根付いたブリティッシュロックの魅力をストレートに伝えるバンドとして有名ですよね。僕もそうだと思います。


BAD COMPANY "HOLY WATER" (1990)
でも、80年代後半に全米チャートを賑わした”新生”BAD COMPANYは、モロにアメリカンHRという感じでしたし、ポールの後釜となったブライアン・ハウは、サミー・ヘイガー(ex VAN HALEN)とルー・グラム(ex FOREIGNER)の良いところを抽出し、味わい深いヴォーカルを聴かせることに成功していました。

80年代のバドカンを認めない向きもあるようですが、僕は大好きなのです。この曲の入った"HOLY WATER"(1990)もさることながら、その前作にあたる"DANGEROUS AGE"(1989)で聴けた、極めて高品質な産業的でありながら、ブルージーな感じを残しているHRが素晴らしく、どうしてこれが売れないのだろうと思うくらい,良質なメロディックHRをいたく気に入ったわけです。

"If You Needed Somebody"は、「何かどこかで聴いたことあるな~...と思わせるような、行ってみれば売れて当然のメロディで彩られていました。当時のパワーバラードブームに則って、全米ではかなりMTVで流れたし、チャートアクションも良好であったわけなので、仕掛け人たちとしては、「してやったり」という感じだとは思いますが、名曲は名曲です。

何だかおっさんクサイ意見ですが、やっぱ80年代のHRは良かったな~...

それでは!

2012年9月22日土曜日

CHU

こんばんは

ただいま"off"まっただ中ではありますが、大学の授業については今日から再開となりました。
それにあわせて、自主練をしにきたMarauderも居たようですが、プールには一滴も水が入っていない状態でした。来週の頭には泳げる状態にはなるはずですので、週末まではゆっくりして下さい!

さて、新しいメゾサイクルに向け、BLOGも一新する予定ではありますが、この4年間を締めくくる話題として、2012シーズンのリーダーたちの「回顧録」を記していきたいとおもいます。


まずは優しきリーダー、Chu。

4年前に、岩田康佑(彼のSCの先輩にあたります)から、「伊藤忠治という僕の後輩が、中大に凄く入りたがったいます」ということを聞いて、最初は「へぇぇぇ」としか思いませんでした。
インハイ、JOの何れも予選落ち、国体は出場していないという選手が、まさか入学に漕ぎ着け、最終的に主将を務めることになるとは、そのときは全く予想出来ないことでした。

入試の時に、練習体験をしてもらいましたが、このときに初めてChuの泳ぎをみました。
率直に思ったのは、「時間がかかるな...」ということ。ただ、スカーリング系ドリルの飲み込みの早さだけは際だっており、「伸ばすのには少し苦労するけれど、可能性がないわけではないな!」と感じたのを、今でも覚えています。


入学して半年は、当時のMarauderの中で最も得点力の高かったIMチームについていくのが精一杯で、それでもついて行けないことが少なく無く、その頃よく、「イトー5ヶ年計画。お前を伸ばすのには時間がかかる。5年目に成功するように頑張るよ!」と半分冗談、半分本気で言っていたことも良く覚えています。
また、最初のインカレが終わった後の個人ミーティング時に、「人の目を気にして生きるな。自分をしっかりともって行動しろ。何が大切かを考えろ!」と率直に伝えた後、涙を流したことも忘れられない想い出です。

その後の彼の冬場の取り組みには、目を見張るものがあり、様々な面で変化がみられました。そして掴んだ初の日本選手権出場権。高速水着の着用が禁止され、ほとんどのMarauderたちが記録を出せずに終わったことを尻目に、きちんとベストを出したことも良く覚えています。
その結果が評価されて挑めることとなったその年のインカレでは、得点をすることは叶わなかったものの、大ベストを出して気を吐いたことは、僕にとっては凄く嬉しいニュースでした。


しかし、次の1年は、再び「試練の年」となり、得意の400mでベストを出すことが出来ず、再びインカレレギュラーから外れ、辛酸をなめることになります。この年には、かつて彼が経験したことがないほど泳ぎ込ませたのですが、正直、またしてもついて来れなくなる時が多く、僕としても考えさせられる機会が多かったことも事実です。この年の”失敗”があったからこそ、最後の年は、彼に「ある程度」適応したプログラムを設定することが出来たと思っています。

彼自身にも、進化とも言うべき、大きな成長がみられました。
特に、叱られ続けた1年時に比べ、劇的に進化しましたし、この1年間だけをみてもかなりの成長を示したと思います。
自ら考えて、高い意識をもってトレーニングに取り組むようなになったし、わからないことがあれば僕に訊きに来る。これらは、彼が下級生の頃にはみられなかったものです。

昨年、彼の高校時代までを知る関係者に、 「次の主将は忠治なんですよ。」と告げると、「ええっ!!!」という反応が比較的多かったことからもわかるとおり、もしも彼が中大に来て成長していなかったら、主将は務まらなかったかもしれません。中大に来たからこそ、主将を務める年に至るまで、劇的とも言うべき様々なことを経験出来たのだろうし、それがあったからこそ、この難しい1年間をまとめ上げるという大役を務めることが出来たのだと考えています。

そう、彼の4年間の、ほんとうに「劇的」ともいえる成長こそが、今年のチームを象徴していると、僕は思っています。
進化したとも言えるくらい(浜松の岡部先生は、そう評して下さいましたね!)の成長を、最後の1年間のなかでも示したからこそ、優勝に導けるキャプテンになれたのだと思います。

決して目立った選手ではありませんでした。
決して何かが突出していたわけではありませんでした。
自分の弱さを知っているからこそ、まわりに優しくすることが普通に出来たし、自分が何者かを(全てではないにしても)知ることが出来たからこそ、本当の強さを追求していこうという姿勢が生まれたのだと思います。

Chuが”あそこまで”育ってくれたことは、(前にも言いましたが)インカレで優勝したこと以上に嬉しかったです。

大学水泳で日本一となったチームの主将を務めたくらいだから、これから先も、「フリや外見」ではなく、「中身で勝負」することを忘れずに頑張れば、きっと仕事でも偉大なるお父さんの後を継げると期待しています。

これからも頑張れ、Chu。(PS;今回、Chuの写真が古かったのは、手元に最新の写真を収めたHDDがなかったため。ごめん。その代わり、最新Videoのサムネイルには、Chuがドアップの写真を使ったのでご勘弁を!)

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VIMEOへのVideo投稿、どんどん進めています。2009年シーズンのものまでアップロード完了しています。当時のMarauderたちも、是非ダウンロードして楽しんで下さい。
現在、HDVideoで作成する以前のものを、アップコンバートする試みに入っています。
MVを作り始めた2006年までさかのぼり、準備ができ次第、アップロードしていく予定です。
お楽しみに。



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さて、2012インカレの最新ビデオ、"Stay Gold"のテーマソングを紹介していきます。

インカレのMVでは、例年HR・HMバンドが演奏するバラード、いわゆる”パワーバラード”を使うことが多いです。それも、欧州的な様式美を漂わせるものではなく、北米でヒットした、あるいはヒットしそうな、どちらかというと大らかかつ甘い感じのメロディを備えた美しい曲を使うようにしています。
チームメイトを感動させ、やる気を起こさせることが目的となるため、「音楽の力は大きい」と信じている僕としては、やはり使用する曲のメロディには拘っています。


FIREHOUSE "3" (1995)
そのオープニングには、甘く温かいパワーバラードを歌わせたら天下一品の、FIREHOUSEの”I Live My Love For You"を使っています。
前奏がなく、いきなり歌い出すという展開の曲を1曲目に使用することだけ決めていましたが、この曲は、サウンドプロダクションも抜群だし、曲の美しさでも際だっていたので、オープニングに使うことにしました。

この曲も素晴らしいのですが、FIREHOUSEといえば、なんと言っても"Love Of A Lifetime"という珠玉の名曲(1st収録)や、"When I Look Into Eyes"といった、クサイほどに甘いバラードが有名です。何れもウェディング・ソングとして利用可能な聴きやすさと美しさを持っています(僕は前者を利用しました)。メロディの美しさでは、たとえばBON JOVIよりも遙かに上を行っていると、僕は思っています(少し系統は異なりますが)。1st ~3rdは何れもお勧めですが、やはり一番は1stでしょう。お勧めです。

それでは!!!

2012年9月18日火曜日

STAY GOLD

こんばんは

国体が終了し、2012シーズンも幕を閉じました。
国体では、何名かの選手(ChiakiとYuji)がベストタイムを出してくれたようですが、なんと言ってもOBKenjiくんの、地元の期待を背負っての見事と言うしかない優勝!という便りに感動しました。

今年は、”努力家”Kenjiにとっても激動的なシーズンだったと思うし、辛い思いもいっぱいしたと思います。最後の5ヶ月間は、中大を離れ、岐阜で国体のために頑張り抜き、結果、選考会を上回る最高のパフォーマンス(自己ベストだし、なんと言っても48秒台は立派!)で優勝を飾る...
なかなか出来ることではありません。彼の能力と精神力に脱帽!という感じですし、彼の持っていた”運命”について考えさせられました。
何れにしても、彼にとっての正義を最後まで貫き通した結果だと思うし、”努力は裏切らない”を地でいった結果到達した、それはそれは尊い優勝だと感じました。おめでとう、Kenji。

さて、インカレの前日にみせる、Marauder名物Motibatinal Videoをアップしました。
今回のタイトルは、"Stay Gold"。
インカレ合宿中に、Marauderから集めた「激励集」を編集したものですが、一応、ストーリー仕立てにはしています。
なお、本編前のイントロは、4年生たちのアイデアです。Video作成に関し、苦労と喜びを知っているK-sukeのアイデアだったようです(彼も僕と同様、EDIUSを使用しているようです)。イントロ部に関しては、僕はまさにうまいこと『繋げただけ』ですね。なかなかに独創的だったし、素晴らしい発想だったと思います。
今回の感動的な挿入歌については、後日紹介していきます。




これまでどおり、Daily Motionにもアップしたのですが、どうにも画質が悪いので、高画質サイトとして有名なVIMEOに投稿することにしました。
ここで可能な、最高の画質でアップしましたので、HD高画質でのダウンロードが可能です(MP4ファイルです)。
高画質でのアップロード法については、少しばかり苦労しました。今まで作成したものは、すべてAVCHD(M2TSファイル)だったのですが、このままではさすがのVIMEOもacceptしてくれませんので、改めてH.264 MP4ファイルでVideoを再作成した次第です。
ついでに、2011シーズンまでさかのぼり、高画質のビデオ(しかもすべてノーカット版)をアップしておきましたので、興味のある方はこちらご覧下さい。
今後、こちらにこれまで作成したMVとPVを順次アップしていく予定です。


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岐阜国体中、僕はOB Kosuke(仲倉)の結婚式に行ってきました。2008年に久々の優勝に導いてくれた当時のリーダーたちと一緒に収めた1枚です。
イイですね、スイマー同士結ばれるというのも。
幸せそうなお二人に、僕も元気をもらってきました!

おめでとう。末永くお幸せに!

それでは!

2012年9月10日月曜日

EMOTIONS IN MOTION

こんにちは

2012シーズン、Marauderとしての最後のレースであるインカレが終了しました。

今年もまた、非常に熾烈な、そして熱い熱い戦いとなりました。
「個人種目優勝がない」にもかかわらず(史上初です)、400点台に達しましたし、14回目の総合優勝を果たすことが出来ました。

今年は、前述のように『個人優勝者ゼロ』が代表するように、いくつかの『大砲』的存在の選手が稼ぐ大量得点に支えられたのではなく、各種目で地道に勝ち取った点数の総計で勝ち取った優勝でした。もちろん、数多くの取りこぼしもありましたが、選手・コーチ・スタッフひとりひとりが『自分に出来る最高のこと。』を、レースそのものだけではなく、その発言・行動においても実現した結果、獲得することが出来た勝利だと思っています。
少人数ながら、『総合力』で勝ち取ったものだと感じています。
2日目のメドレーリレーの8年ぶりの優勝は、競技力としての総合力を如実に示したものであると思います。
そして、この総合力は、『チーム力』に支えられたものであったこと、忘れることは出来ないでしょう。

Chuを中心とした2012のMarauderは、『過去最高の成長率』を示したチームでした。
そのスタートから、「嵐を呼び寄せる」ようなチームでしたし、荒れ狂う嵐のなか、道を見失いかけたこともあったと思います。なかには、そのうねりにより、はぐれかけてしまう者もいました。
次々に襲ってくる嵐のなか、それでも前進することを選んだリーダーたちは、それらを「乗り越える」工夫をしたし、努力も重ねました。

結果、1年前に想像することは難しかった、素晴らしいチームがインカレの直前に出来上がったと思っています。
そして、インカレの期間を通しても、チームはさらに成長をし続けたと感じています。
まさに、「チーム力」の凄さ、素晴らしさを再確認できた大会でした。

”Triumph Over"が目指したことを、まさに具現化するようなチームビルディングであったと思います。4年生達、見事です。
僕は、優勝したことそのものよりも、”あいつら”が、こんな立派なチームを創り上げたことの方が、実は嬉しかったです。

2009年に、高校時代に戦歴を残せなかった選手を2名含む、6名という少ない人数で入学した彼らは、自信もないし、まわりをみる余裕を持てない選手の集まりだとも感じたし、その時点で、「3年度は大丈夫かな(汗)...』と思わせるのに充分な「奴ら」でした(失礼!)。

それが、こんなにも素晴らしいチームを創り上げたことに、心から感謝しています。4年生たち、本当にありがとう。そして、お疲れさまでした(今後、”余裕”があれば、4年生たちの特集記事、つくりますね)。

これだけのことを成し遂げることが出来たのは、4年生の「成長」のみならず、3年生以下の「成長」も無視できないし、特に2年生以上のメンバーは、それぞれが「チームとは何か。」をよく理解できているし、それぞれが「リーダーになる資質」を持っていると感じました。
2013シーズンのチームも、どんな「驚き」をくれるのか、楽しみです。

インカレ中は、Head Marauderは常に「勝負」を意識し、様々な戦略をレース毎に練っていたようでしたし、そうした『勝負師』としての采配が、”今年も”冴えていました。
僕は、いつものようにアッププールと招集所を往復する3日間でした。特に今年は、僕が直接担当する選手がかなり増えたこと(2/3ですから)、その中に女子も含まれることなどを考慮して、アッププールでのコーチングに徹するようにしました。このことが実現出来たのも、”チームとしての役割分担”が明確であったからですし、自由に動き回れる状況にあったこと、心から感謝しています。

馬場先生、岡部先生、佐藤先生、八木先生、吉井先生、阿部コーチ、Masafumi&Takuya...。コアスタッフの皆さんの働きはプロフェッショナルで、それぞれのサポート活動に徹していただきました。
また、選手達の背中を強く押し、そして温かく迎えてくれたことが、チーム力のさらなる向上に寄与したに違いありません。
ありがとうございました!

学生スタッフの頑張りも素晴らしく、特に、きちんと「チーム」の本質を理解しているスタッフたちは、その役割に徹してくれた上、常に笑顔でサポート活動にあたってくれていました。そのおかげで、選手は、”何不自由無く”集中することができただろうし、僕もいつも以上にコーチングに徹することが出来ました。
本当に、ありがとう。そしてお疲れさま!!!

僕は、アッププール側に常駐していたため、足を運んでくれたOB・OGたちにあまり逢えませんでしたが、今年もたくさんのOBたちが駆けつけてくれたと聞いています。
そうした、皆さんの温かい気持ちは、チーム力に肯定的な影響を及ぼしたことでしょう! ありがとう!!!

選手のご家族の”団結した”応援も、Marauderならではのものです。今年も「素晴らしかった!」と聞いています(すみません、直接みることができなくて...)。心から感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。



中央大学水泳部に日頃からご支援いただいている皆様、本当にありがとうございました。
2013シーズンも、よろしくお願い申し上げます。

中央大学水泳部コーチ
森谷 暢


p.s.
今年も大いに盛り上がったインカレ前日。その冒頭に流した”Motivational Video”のアップロードに手こずっております。
たぶん、分割しないとアップできないかな~...
でも、近日中に試みてみたいと思います。

それでは!!!