こんばんは
今日は、血中乳酸濃度の測定機器を取り扱っているディーラーの方がわざわざ研究室に来てくださいました。測定精度が高く、かつ、扱いが楽な機械(だけど超エクスペンシブ!)といえ、かなり良いものでした。さすがにスイミングクラブや高校でこの機械を導入しているところはないと思いますが、最近では乳酸を測るコーチも増えてきたようですね。
その背景には、小型携帯タイプの乳酸測定機器が世界的に普及し(日本の会社のものです)、誰もが簡単に乳酸をチェックできるようになったことがあります。小型なのに高性能なので、研究者でも、この機械を使っている方は少なくないようです。これが発表されたときには、それまで使っていた据置型(実は今でもそれを大切に使っている)の1/100くらいの大きさに絶句し、すぐに購入していただいた記憶があります。あの小ささでどれだけのことができるのか、繰り返しチェックしましたが、「やり方次第」では目茶苦茶使える「凄い奴」だということがわかり、Marauderにおいても、主にその携帯型を使って血中乳酸濃度を導出しています。
乳酸を測定し続け、はや18年。機械は進歩しました。分光光度計できっちり測るやり方から始まり、そのやり方の1/10程度の手順で出来る据置型ポータブル乳酸測定器(といっても昔のラジカセくらいの大きさ)第1号を拘って扱い続け、その後は、その進化型の機械(バッテリー方式になり、外部環境の変化に多少強くなった)を10年以上大切に使い、今では携帯型と併用するかたちで使っています。
乳酸を測ったことのある選手・コーチも少なくないと思います。そんなみなさんは、乳酸は水泳という運動によってどれくらい上がると思いますか?
おそらく、26.3だとか、28.1という、「え”~」という値を見た方はいないかもしれません。なぜなら、ほとんどのコーチ(ばかりでなく、科学者も)が愛用している、携帯タイプの測定器では、最大で23mMまでしか測れない(スペック上の最大値)し、実際、そこまでのデータをなかなか得られない(僕は18mM以上の値をほとんどみたことがない)、という落とし穴があるからです。
Marauderでは、選手によっては嘔吐するよーな「超激トレーニング」のあとの乳酸測定の際には、10年以上使っている「据置型」を使います。その値段は、携帯型の15倍くらいしますが、30mMまで測ることができます。扱いが難しい(いや、簡単なのですが、正確に測るのにコツがいるとでも申しましょうか...)という問題もありますが、高濃度の乳酸を導き出すことができるわけです。
さて、この18年間、僕がみてきたなかでみられた乳酸の最大値は、28.15mMでした。そのときの練習は、全力での200を2回+100を2回のいわゆる「レペテイション」を18分サイクルで行うものです(これをMarauderではCrash & Burnといいます)。その大記録を叩き出したYUKI(今は岐阜ですね)は、その練習直後には、プールから測定ステーションまで(15m 位)、なかなか歩いてこれないくらいの状態になっていました。ただこの選手、こーいったトレーニングの時には、必ずといって良いほど20mMを超えてくる、「高濃度を出すことが得意」な選手でした。最大運動後の乳酸が上がる、上がらないという現象には個人差があり、上がらない選手では同じトレーニングを処方しても、12mMくらいまでしか上がりません。解釈が難しいところですが、きちんと整理して、その後のトレーニングにおける対応策を考えます(詳細は、何れ機会があれば...)
因みに、携帯型の乳酸測定機器と、据置型の乳酸測定器を同時に使い、「両者の値が一致するのか」といった、シンプルな疑問を解消するための基礎的調査も何度か行いました。僕が見てきた範囲だと、据置型で20mM以上の値が出ても、同じ血液サンプルを使って携帯型によって出された値は、15と出たり、17と出たり、時には13と出たりで、値が安定しません。据置型は、採取する血液量も5倍ほどありますし、手間もかかりますが、値のばらつきは少ない傾向にあります。
そんな傾向があるので、携帯型で正確に測るとき(ウチでは、Lactate Curve Testというコントロールテストを行っている)には、1回の採血で2回以上の測定を行うようにしています。
乳酸という奴は、測定する機械や条件、さらには採血・測定手順に応じて、姿を変えて登場します。そのことをふまえた上で、測定値と対峙しないと、トレーニングの成果や選手の頑張りを誤判断してしまうかもしれません。「あなたが正確だと思っている乳酸の値は、間違っているかもしれない」ということです。もし、今後、乳酸を測る、測ってもらえる機会がある方は、その値を過度に信頼しないほうが、場合によっては良いかもしれません。
Rockの時間です。
えっとですね、同点敗北を喫した2006インカレのダイジェストVideoに使った曲です。
ASIAです。いや、このバンド、本当に好きでした。とは言っても、1st&2ndアルバムのみ(その後も悪くないけど、繰り返し聴くことはなかった)。この2枚は、楽曲もプレイも、そしてアルバムジャケットの美しさも含めて最高です。
当時、世界的に売れに売れたバンドだったので、JOURNEY同様、硬派なロックファンからは敬遠されていたかもしれません。「売れセン」という先入観を捨てて聴けば、ブリティッシュ&プログレ~な香りのする、”イギリスのバンド”なんですけどね。
僕は、ジョン・ウエットンのヴォーカルが大好きだし、彼の書く歌メロが大好きです(UKが好き)。このアルバムの冒頭の2曲を聴いてもらえれば、ASIAが奏でる珠玉のメロディを堪能してもらえると思います。そして、この超覚えやすい歌メロを持つ2曲を気に入ったら、1stアルバムを聴いて「ぶっとんで」ください
この曲は名曲です。ジョンの甘いヴォーカルと切ないメロディ、ドラマ仕立てになっているプロモーションVideoが今でも僕の脳裏に焼き付いています。イントロだけで「鳥ちゃん全開」(鳥肌がたつという意味です...)の哀愁バラードの傑作。
Rockといっても、このバンドは全然うるさくないし、この曲に至ってはバラードなので、甘いのなんてイヤだ!と思っていないのであれば、是非ご一聴を!。おすすめです!
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ではでは。
数少ないOG選手のひとりです。閲覧数上昇に貢献させていただいています♪
返信削除卒業して久しい場所の様子を知ることができて嬉しいです。
遅ればせながら、インカレ優勝おめでとうございます!
そして、Crash&Burnの字面を見るだけで乳酸値が上がるような気がするのは私だけでしょうか(笑)。
あの驚異の筋パワーを誇っていたSさんですな!?元気~[E:sign02]
返信削除Sさんが残した様々なパワー系の記録を抜けない男子選手、今でも少なくないよ[E:coldsweats01]